かの有名な「Boys, be ambitious」の言葉で知られるウィリアム・スミス・クラークは、札幌農学校で偉大な業績を残し、今でも北海道を初めとし、「クラーク博士」の呼び名で日本中から親しまれています。
確かに私も、歴史や英語を習う以前から、というか物心付いた頃には「Boys, be ambitious」という言葉を何度も耳にして、記憶していました。子供心に「ぼーいずびーあんびしゃす」は「少年よたいしをいだけ」だということはわかっていました。ただ、「たいし」が「大志」だということを知る方が後だったので、本当の意味で言葉を理解するのはもっと後のことでしたが……。
ではそのクラーク博士の「Boys, be ambitious」はどのように生まれたのでしょうか。まずはクラーク博士の生い立ちから追って生きたいと思います。
ウィリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark)は、1826年7月31日にアメリカのマサチューセッツ州アッシュフィールドで生まれました。父アサートン・クラークは医師でした。
アマースト大学を卒業し、ドイツのゲッティンゲン大学にて博士号を取得した後、アマースト大学の教授となりました。
南北戦争時には北軍少佐として従軍し、マサチューセッツ農科大学(現マサチューセッツ大学アマースト校)第3代学長に就任しました。ちなみに初代学長と2代学長は開学前に辞任しています。それにより実質的な初代学長はクラークだったと言えます。