旧島松駅逓所

旧島松駅逓所

クラーク博士が残した名言“Boys, Be Ambitious!”は有名ですが、この言葉を言った場所まで知っている人は、なかなかいないのではないかと思います。クラーク博士がこの言葉を言ったのは、クラーク博士がアメリカへ帰る時に見送りに来た学生や職員たちと別れた場所である「旧島松駅逓所(きゅう しままつ えきていしょ)」です。
「旧島松駅逓所」は北海道北広島市島松地区にある駅逓所で、国の史跡に指定されています。駅逓所とは、駅舎と人馬を備えていて、宿泊と運送の便をはかるため設置された建物のことで、開拓期の北海道で重要な役割を果たしていたのです。旧島松駅逓所は木造平屋建てになっていて、1873年の現在の国道36号になる札幌本道の開通に伴い設置されました。1873年~1880年にかけて建築され、翌年に造築されています。その後、小規模な改修が行われました。
1884年からは、北海道で初めて米作りを成功させ稲作の父としてうたわれた中山久蔵さんが経営にあたっていました。
1933年に、明治天皇の島松行在所として国の史跡に指定されましたが、1948年に他の日本各地にある明治天皇「聖蹟」とともに史跡指定は一度解除されます。しかし、1984年7月25日に「旧島松駅逓所」としてまた国の史跡に指定され、同年から7年間をかけて建物の修理復元工事が実施されました。
北海道には600を超える駅逓所があったのですが、当時の駅逓所の構造を残す建築物としては道内で最も古いもので、貴重な遺構となっています。
建物の中を見るのは有料になりますが、周りの庭を眺めるのは無料です。そんなに高くないので、どうせなら中も眺めてもらいたいと思うのですが、外観を眺めるだけでも当時の様子を感じることができるのではないかと思います^^
クラーク博士が名言を残した場所として、クラーク博士の横顔のレリーフと「青年よ大志を懐け」と書かれたクラーク記念碑が設置されていたり、寒冷地での稲作の栽培に力を尽くした中山久蔵さんの功労を讃えた碑も設置されていて、秋には紅葉がきれいなことから紅葉の名所としても知られています。
名言だけが有名になってしまっていますが、その言葉を言った場所や状況などを知ったうえで、実際に訪れてみると、言葉の受け取り方も変わってくるのではないかと思います。クラーク博士が“Boys, Be Ambitious!”に込めた想いも伝わってきそうですね^^それだけでなく、北海道の歴史にも触れることができるので、訪れてみてはどうですか?